潤滑剤レビュー まとめ篇
この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2022の17日目の記事です。
16日目の記事はshuhei_omura444さんのWCA DBの基礎集計に挑戦|Shuhei Omura|noteでした。18日目の記事はowapoteさんの僕が考えた「噓PLL読み」など - owapoteの日記です。
はじめに
こんにちは。ルブ(潤滑剤)のレビューをします。
お読みいただく前にいくつか注意点がございます。
- 一人でやっているため、正確性に欠けます。
- 別の種類のキューブを用いたり、1つのキューブに連続でルブを入れたりして評価しているため、正確性に欠けます。
- 所持している12種(TheCubicle: 6種、SpeedCubeShop: 6種)のみのレビューになります。
以上にご了承いただける場合はお進みください。なお、日本国内で手に入れやすいTheCubicleのルブについてのみ知りたい方はTORIBO様の潤滑剤レビュー2019をお読みになるとよいです。この記事の主な読み方は、現在TheCubicleのルブのみを使用しておりSpeedCubeShopのルブ(以下Cosmic Lube)の購入を検討しているが、どれを買えば良いか分からない人が手持ちのルブとの比較のために読む、あるいはただの読み物になると思います。
評価基準
-
軽さ(-10〜10)
ルブの性能の主要な指標です。速さと言い換えても差し支えありません。
回転を軽くする物と重くするものがあるため、0を中心(変化無し)、最大を10、最小を-10とします。ただし当然塗布の量やキューブの状態などによって効果は変わるので、特に0付近の評価については信頼度が低いです。 -
しっとり感(0〜10)
どの程度乾燥感が無くなるかの指標です。これが大きいと接地面に液状のコーティングがあるように感じられ、回転が滑らかになります。また音が少し静かになります。粘度と相関がありそうです。
最大を10、最小を0とします。 -
ねっちり感(0〜10)
粘り気の指標です(粘度とはニュアンスがちょっと違う)。これが大きいと回転時のパーツ同士の粘着感が強くなり、摩擦ではない引っ張られるような抵抗を感じるようになります。また音が静かになります。粘度と相関がありそうです。
最大を10、最小を0とします。
これらはあまり深く考えず設定しています。これくらいの指標があれば何となく使い勝手を想像するには十分ではないでしょうか。海外のストアが設けている指標はCushion、Control、Gummy、Heavyなど様々ありますが、正直どれもよく分からないので日本語で、かつシンプルなものとしました。特に変な特徴があるものは個別に記載していると思います。
評価一覧
詳細は
潤滑剤レビュー TheCubicle篇
潤滑剤レビュー SpeedCubeShop篇
をご覧ください。
DNM-37
軽さ :10
しっとり感:0
ねっちり感:0
Lubicle Silk
軽さ :9
しっとり感:7
ねっちり感:2
Cubicle Labs Mystic
軽さ :6
しっとり感:4
ねっちり感:4
Lubicle Speedy
軽さ :1
しっとり感:6
ねっちり感:7
Cubicle Labs Silk
軽さ :-2
しっとり感:7
ねっちり感:5
Traxxas 10K Diff Oil
軽さ :-6
しっとり感:6
ねっちり感:4
LUNAR
軽さ :9
しっとり感:4
ねっちり感:1
COMET
軽さ :8
しっとり感:3
ねっちり感:5
MARTIAN
軽さ :5
しっとり感:5
ねっちり感:3
GALAXY
軽さ :0
しっとり感:5
ねっちり感:3
NEBULA
軽さ :-1
しっとり感:6
ねっちり感:4
COSMOS
軽さ :-3
しっとり感:6
ねっちり感:4
散布図
総評
全体的な傾向として、TheCubicleのルブは個性が強くそれぞれに独特の感触があり、反対にCosmic Lubeはどれも無難で、性格は大きく変わらず、粘度にしたがって重さが順当に増していきます。
ただ軽くする用途で使えるルブは、DNM-37とLUNARになります。これらは(water-basedとsilicone-basedの感触の違いはありますが)塗布してもほとんど抵抗やルブの層の厚みを感じません。ただし、人によっては軽すぎる可能性があります。
次点で軽いのはLubicle Silk、COMET、MARTIANです。これらも十分軽いですが多少粘り気があり、僅かに安定感も得られます。ただしCOMETは癖があるため、他2つの方が万人受けしそうです。現在のキューブで重すぎて困るといったことは殆ど無いので、ただ軽くしたい場合でもDNM-37やLUNARよりこれらの方が使い勝手が良いかもしれません。
Mystic、Speedy、GALAXY、NEBULAは中程度の軽さのルブです。回転を滑らかにしますが、軽さはそこそこ軽くなる〜若干重くなる程度です。軽さを大きく変化させない性質上使い勝手が良いため、何かしら1本は持っておくと良いと思います。ただしMysticとSpeedyはかなり癖が強いのでご注意ください。
Cubicle Labs Silk、Traxxas 10k Diff Oil、COSMOSはキューブを重くする部類のルブです。ただしこの3つの中でも重くする程度は大きく異なり、Traxxasは少量でもあからさまに重くなるため注意が必要です。他2つはある程度多く入れなければそこまで軽さは変化しません。
個人的なおすすめは
とても軽いやつ:LUNAR、Lubicle Silk
適度なやつ:MARTIAN、NEBULA
重いやつ:COSMOS
です。
おわりに
このレビューを書いたきっかけはCosmic Lubeシリーズのうちなぜか香料の入っているものを除いた6種を購入したことで、購入したきっかけはお気に入りだったLubicle Silkが廃番になり、代替となる物を探す必要が生じたことです。TheCubicleの軽めのルブは既にあらかた試しており、その中に好みの感触のルブはありませんでした。したがって、今後も入手困難にならなそうなルブをいくつか試しに購入し、良さげなものを発見しようとしたわけです。試した6種の中では、LUNARとMARTIANがLubicle Silkの代わりとなりそうでした。LUNARは多分割をひたすら軽くしたい時など、MARTIANは小分割などに定常的に使用する、といった使い分けでうまくやっていけそうです。ちなみに注文の受理から配送完了まで45日かかりました。
潤滑剤レビュー SpeedCubeShop篇
これは潤滑剤レビュー まとめ篇で紹介したSpeedCubeShopのルブ6種の細かい評価です。
評価基準
-
軽さ(-10〜10)
ルブの性能の主要な指標です。速さと言い換えても差し支えありません。
回転を軽くする物と重くするものがあるため、0を中心(変化無し)、最大を10、最小を-10とします。ただし当然塗布の量やキューブの状態などによって効果は変わるので、特に0付近の評価については信頼度が低いです。 -
しっとり感(0〜10)
どの程度乾燥感が無くなるかの指標です。これが大きいと接地面に液状のコーティングがあるように感じられ、回転が滑らかになります。また音が少し静かになります。粘度と相関がありそうです。
最大を10、最小を0とします。 -
ねっちり感(0〜10)
粘り気の指標です(粘度とはニュアンスがちょっと違う)。これが大きいと回転時のパーツ同士の粘着感が強くなり、摩擦ではない引っ張られるような抵抗を感じるようになります。また音が静かになります。粘度と相関がありそうです。
最大を10、最小を0とします。
LUNAR
軽さ :9
しっとり感:4
ねっちり感:1
Cosmic Lubeの中でトップクラスに軽いルブ。DNM-37にも近い軽さだが、silicon-basedであるためか僅かに軽さでは劣る。その分DNM-37には無い滑らかさを持っており、軽さと滑らかさが両立している分使いやすく感じる。Lubicle Silk(古い方のSilk)の軽さを少し増し、しっとり感を減らしたような印象である。
個人的にルブに色は必要無いので無色であるのはうれしい。
COMET
軽さ :8
しっとり感:3
ねっちり感:5
こちらも軽い部類のルブだが少し癖があり、軽さの割に粘度があるためSpeedyに近いねっちり感をうっすら感じる。滴下の際に糸を引く。このねっちり感が必要無ければLUNARや下記のMARTIANなどを使えばいい気がする。
MARTIAN
軽さ :5
しっとり感:5
ねっちり感:3
よくSilkと比べられる緑のルブ。Lubicle Silk(古い方のSilk)より少し重く、Cubicle Labs Silkよりはだいぶ軽い。滴下してみると結構さらさらしているが、しっとり感とねっちり感はそれなりにある。最近の小分割はただ軽くすると制御不能になりがちなため、DNM-37やLUNARよりもこれ以下の軽さのルブの方が使い勝手が良さそうである。
GALAXY
軽さ :0
しっとり感:5
ねっちり感:3
MARTIANよりそこそこ重い、とろみがあるルブ。使用直後に少し重くなるが、馴染むと元通りの軽さ前後になる。摩擦感の強いキューブであれば軽くなるだろうが、軽くする用途よりはあくまで回転を滑らかにし、安定させる用途が主になると思う。上述の軽めのルブとは異なり、パーツを中心に引き付けるような分かりやすい抵抗を感じるようになる。Cosmic Lubeは全体的に癖がなく、これも例に漏れず無難。
画像に写っているようなCosmic Lubeのボトルはめちゃめちゃ硬く、この辺りの粘度から握力が物を言うようになる。
NEBULA
軽さ :-1
しっとり感:6
ねっちり感:4
非常にGALAXYに似ている。そっくり。どちらを入れられたかクイズをやっても分からないかもしれない。しっかり比較すればGALAXYより少しだけ重いと感じる。これは気のせいかもしれないが、GALAXYの項に記載した引き付けるような抵抗感が少しだけ弱い。また、その原因かも分からないが見かけ上GALAXYより粘度が低い。
COSMOS
軽さ :-3
しっとり感:6
ねっちり感:4
僅かに重くなる寄りのルブである。足に塗布すれば単に滑らかになり安定感が増すが、接地面に塗布するとしっかり重くなる。Traxxasほどの重さは必要ないという人には丁度良いかもしれない。GALAXYやNEBULAをただ少し重くしたような感触で、例によって癖が無く扱いやすい。
潤滑剤レビュー TheCubicle篇
これは潤滑剤レビュー まとめ篇で紹介したTheCubicleのルブ6種の細かい評価です。
評価基準
-
軽さ(-10〜10)
ルブの性能の主要な指標です。速さと言い換えても差し支えありません。
回転を軽くする物と重くするものがあるため、0を中心(変化無し)、最大を10、最小を-10とします。ただし当然塗布の量やキューブの状態などによって効果は変わるので、特に0付近の評価については信頼度が低いです。 -
しっとり感(0〜10)
どの程度乾燥感が無くなるかの指標です。これが大きいと接地面に液状のコーティングがあるように感じられ、回転が滑らかになります。また音が少し静かになります。粘度と相関がありそうです。
最大を10、最小を0とします。 -
ねっちり感(0〜10)
粘り気の指標です(粘度とはニュアンスがちょっと違う)。これが大きいと回転時のパーツ同士の粘着感が強くなり、摩擦ではない引っ張られるような抵抗を感じるようになります。また音が静かになります。粘度と相関がありそうです。
最大を10、最小を0とします。
DNM-37
軽さ :10
しっとり感:0
ねっちり感:0
このレビューの中で唯一のwater-basedであるルブ。国内ではマルルブと置き換わるように普及して今も人気がある。
水由来の極低粘度でめちゃめちゃ軽く、しっとりもねっちりもしない。ただし持続性はあまり無く、また乾燥してくるとキューブ内部に黒い粉のようなものが残る。
Lubicle Silk
軽さ :9
しっとり感:7
ねっちり感:2
古い方のSilk。DNM-37に次ぐ程度の回転の軽さだが、しっとり感もかなり強く、ただ軽くなるというよりも、薄いルブの層が挟まってパーツ接地面の摩擦が消え、滑っているような感触が得られる。非常に心地が良い。
原料を提供していた業者の消息が途絶えたらしく廃番となってしまった。
Cubicle Labs Mystic
軽さ :6
しっとり感:4
ねっちり感:4
唯一のplant-based(謎)であるルブ。アロエ汁がそんなに大量に使われているとも思えないがよく分からない。使いやすい軽さではあるが癖が強く、名状し難いドュルドュル感がある。しっとりともねっちりとも言えない。
なぜか銀色のラメが入っている。
Lubicle Speedy
軽さ :1
しっとり感:6
ねっちり感:7
名前の割に特段軽いルブではない。入れて回し込めば若干軽くなる程度。他のルブと比べねっちり感が強く、こちらも感触に癖があるため人を選ぶかもしれない。そのねっちり感により静音効果が大きい。
容器に入っている状態だと赤いがしずくは色が薄まってピンク色に見えるため、白いパーツに付着すると風呂場の水垢汚れのように見える。
Cubicle Labs Silk
軽さ :-2
しっとり感:7
ねっちり感:5
現行のSilk。廃番となったSilkのリニューアルらしいが完全に別物。粘度がかなり上がっており軽いルブではなくなった。少量を使用して回し込めば軽さはあまり変わらず回転が滑らかになり、多めに使用すれば重くすることができる。どのように使用しても安定感が増す。
Traxxas 10K Diff Oil
軽さ :-6
しっとり感:6
ねっちり感:4
正確にはこれはラジコンメーカーのTraxxasの製品でありTheCubicleの製品ではないが、TheCubicleが販売しているのでこちらに含める。
高粘度ルブの代表格であり、主にパーツの足に塗って回転を重くするのに使用する。足ですら量に気を付けないと大変なことになるので、接地面に塗る場合は超気を付けなければならない。
CNのなりかた、あとインスペクション
はじめに
こんにちは。3×3CFOPにおけるCN(Color Neutrality)について書きます。
ここでは、かつて自分がCNになる練習をした際に行ったこと、およびCNの人間がインスペクション中に何を考えているかの一例を示します。したがって、単色/デュアルと比較した際のCNのメリット・デメリットや確率的な話には触れません。また個人的な体験記のような形になるため万人に向く内容とは限りません。あしからず。確率的な話はCubeSkillsのColour Neutralityに詳しく書かれています。
CNになるために行ったこと
前提として、CN練習を始める直前の時点で白単色クロス、21秒前後だったそうです。
21秒くらいの時に白単色からCNになった
— みーざ (@mysamyysa) 2018年2月13日
そもそもCNでクロスを揃えることの何がキツいかと言えば、クロスエッジの位置関係が分からないことでした。とはいえ任意の方向からキューブを見て6色の位置が即座に分かるようにはなれないと感じたため、6色それぞれをD面とした時の側面色を左右の位置関係で覚えるという方法を取りました。当然側面は4色ありますが、対面色の関係を把握していることを前提とすれば対面の色はあえて覚える必要が無いため、ここで覚える側面色は隣接2色で十分となります。
何でも構いませんが、自分が選んだ覚える色は以下の通りです。
D面白:左青 右赤(白クロスだったためこれは元々覚えていた)
D面黄:左赤 右青
D面青:左白 右橙
D面緑:左白 右赤
D面赤:左白 右青
D面橙:左白 右緑
これを根性で覚え、裏側の2色は対面色の関係から復元するという形で一応側面色の配置が分かるようになりました。覚える色に白が採用されがちなのは白クロスの名残です。
ひとまず覚える事柄はこれのみで、ここからは実践に入りました。このような方法を取ったため、一般的な1色ずつ練習する、もしくは対面の2色ずつ練習するという過程は経ていません。インスペクション時に咄嗟に白を探さずにあくまでクロスの簡単さのみで色を選ぶよう注意しつつ、また、直接的に覚えた側面色は上記の2色ずつのみですが、その2色のエッジから優先的に揃えるような癖が付いてしまうと大変まずいため、「D面緑で、白の右は赤だから、白の右は橙」「D面橙で、白の右は緑だから、黄の右は青」のような事を必死に考えながらせっせとクロスを読んで揃えていました。
これをひたすら繰り返したと思います(記憶無し)。
次第に覚えた2色以外の位置関係の想起が速くなり、どの色でも位置関係を把握する速さに遜色が無くなりました。
CN習得してやろう
— みーざ (@mysamyysa) 2017年8月21日
いつか
CNのタイムが黒固定だった頃のタイムに追い付いてきた
— みーざ (@mysamyysa) 2017年9月13日
3週間くらいでCNになれた
— みーざ (@mysamyysa) 2017年9月17日
matsとかみたいな速い人がCNに矯正するのは大変なのかな
過去ツイ曰く3週間ほどでCNになっています。黒とか言っているのは当時白ステッカーを濃い灰色のものに貼り替えたAir SMを使っていたためと思われます。
インスペクション中に何を考えているか
単色のキューバーにはよく「インスペクション足りなくない?」のように聞かれます。実際CNであるがゆえにインスペクションがギリギリになる場面もありますが、それは結構稀です。この疑問は「6個もクロスの解法練ってる暇無いだろ」という意図だと思いますが、流石にその通りなので、各色でクロスを読み切るといったことはしていません。
各パートの右側に記載している秒数はあくまで目安であり、重要なものではないです。実際のインスペクション中にこの秒数を意識することもありません。
序盤(0〜2秒)
序盤で考える(見る)ことは、エッジの位置の良し悪しです。
全体を荒く観察して、ラッキーなクロスが無いか探します。
隣接2つ以上のエッジが揃っているものがあればほぼそれらで確定して他の色は捨てます。1つのエッジのみ揃っている、あるいは対面2つのエッジが揃っているときは、そこまでラッキーでない可能性があるため他の色も検討する候補として残しておきます。他の色のうち見るからにバラバラなものはこの時点で候補から除外しておきます。全色バラバラで手に負えないときは、深く考えず1色を定め、残りの時間で精一杯その色のクロスを読みます。
中盤(2〜6秒)
中盤で考えることは、エッジ1〜3個のみを揃えるような手順の断片です。
序盤の時点でクロス色が確定している場合はそのクロスを読むだけです。
クロス色が未確定の場合は、採用する可能性のある色それぞれについてエッジ2〜3個を揃える具体的な手順を考えてみて、その短さや回しやすさ、残るエッジの位置の良し悪しを想像しつつ候補を挙げ切ります。集計したわけではありませんが、挙がる候補は通常1〜3色(同色の別手順も数えれば1〜5種)ほどになる気がします。
終盤(6秒〜)
終盤で考えることは、完全なクロスの手順です。
中盤で挙がった候補のクロス色について、考えた手順の断片を組み合わせて完全な手順を想像します。ここで手順の短さや回しやすさ、F2L#1の読みやすさなどを考慮してクロス色と用いる手順を確定します。残る時間で具体的な指遣いを考えたり、F2L#1を読んだりします。
これは2018年1月に書いたインスペクションのメモです。今と多少言っていることが違いますが、参考になる可能性があります。
おわりに
「CNになるために行ったこと」は比較的初期にCNとなった際の体験であるため、単色やデュアルで既に速い人ほど当然練習の痛苦や期間が増すでしょう。CNの方が確実・大幅に速いということはないので無理してでも必ずやるべきものではありません。モチベの維持は大切です。
過去ツイキショすぎ 助けてくれ
「インスペクション中に何を考えているか」は人によっては参考になるかもしれませんが、インスペクション中の思考内容は個人の経験や慣れによる部分が非常に大きそうなので、参考になったとて取り入れるのは難しいように思います。
最後にExample Solveを3つ紹介して終えたいと思います。ありがとうございました。
Example Solves
※クロス作成自体の下手さには目を瞑ってください
※F2L#1先読みの内容は含んでいません
① F L2 D2 R2 F2 U2 F R2 B U' F R2 B' R2 D L2 F' D
橙クロスが揃っています。終了〜
② R2 B' D F R' L B' U L U2 R2 F2 R2 U R2 D B2 U' D' F2
まず初めに全体を見渡して、どうしようもない青、緑を除外し、すでにエッジが1つ揃っている赤、橙は残します。黄は黄橙エッジと黄緑エッジが容易に揃うものの、残り2つを面倒な持ち替え無しで揃えられなそうなので除外します。白は保留しています。
残り3色ですが、まず赤を考えます(勘)。赤D白Fとすると赤黄エッジはR2で揃う良い位置にあり、L2 D'で赤青エッジと赤白エッジが良い位置関係になります。候補1。
続いて白を考えると、白D青FとするとL' F' L'で白青エッジと白橙エッジが揃います。その後Rとすれば、残りのエッジもD面をいじってすぐに揃えられそうな位置に入ります。候補2。
橙は考える時間が残らず終了。
結局候補1を採用し、既に考えているR2 L2〜の部分をM2から始める形の
橙D黄F M2 u' F L D2
が解答となります。
後からゆっくり考えてみると、橙をもし検討できていれば
橙D白F R L F' R U L2 D2
とかになっていたかもしれません。
③ D2 R F2 R U2 R2 U2 R' F2 D' B' U' L D' L2 U' F' R2 B' R
初めに目に付くのは、エッジが1つ揃っている黄と赤です。赤は赤青エッジの位置が1手で揃う位置にあり良さげですが、黄は黄赤、黄青エッジの処理が難しそうなので除外します。他4色のうちの白は白赤、白青、白緑エッジが実質2手(L F’ B)で揃いますが、その後の白橙エッジの処理が面倒そうに見えたのでやめておきます。
先ほど良さげと感じた赤を考えてみると、赤D青FとしてL2 R' U2で赤青エッジが揃い残りのエッジが良い感じの位置関係になりますが、おそらくその後がかなり回しにくいので嫌な気持ちが拭えません。候補1。
未検討の3色のうちなんとなく橙を考えてみます。これは橙D青FでR2 F L Rで橙白エッジ以外が揃い、その後橙白エッジも白センターと繋がってADFが必要なさそうなので良い感じです。候補2。
残りの2色は考える暇がありませんでした。
挙がった候補の中から嫌な気持ちにならない橙を採用し、
橙D青F R2 F L R D' R2
が解答となります。
後からゆっくり考えてみると、白は白D緑Fとしてu R u'とすれば面倒そうだった白橙エッジを先に揃えられて、その後L F’ Bで残りの3エッジを揃えられるので割と良かったかもしれません。また、検討できなかった緑も、橙と比べれば微妙ですが緑D白FでR L F' B〜とするやり方も考えられたと思います。
縦スライスのすすめ
この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2019の11日目の記事です。
10日目はY.Yさんの「ルービックキューブの思い出」でした。
12日目はルーメソさんの「Roux Methodのコツ」です。
はじめに
はじめまして、みーざと申します。
人生初の記事がアドカレとなりました。僕が参加してよかったのかわかりませんが、参加してしまったものは仕方がありません。拙い文章ですが、お読みいただければ幸いです。
この記事は5×5以上の多分割をリダクションで解けることを前提としています。まだ解けない方は、5x5x5 基本的な揃え方 | Cube Voyageなどでリダクションを軽く覚えてからこの記事を読むことをおすすめします。
内容としては、かなり基本的、初歩的なことしか書いていません。ある程度多分割に慣れている方にとっては「え、これだけ?」と感じられるかもしれませんので、なんというか、ごめんなさい。
こういうことをするのは初めてなので緊張していますが、頑張ります。
縦スライスとは?
縦スライスとは多分割のエッジペアリングをRw系、Lw系の回転を使って行うことです。通常のUw系の回転(以下横スライス)に対して縦方向の回転なので、そう呼んでます。
現状主流なのはご存知の通り横スライスです。かのMax ParkやFaz、Kevin Haysなどもみんな横スライスです。
ちなみに、4エッジだけ縦スライスという人は結構います。Kevinはそうです。でもまぁ、どうせなのでそっちのことも書こうと思います。
メリットとデメリット
メリット
少数派の縦スライスですが、それでも僕が使っているのにはそれなりの理由があります。
- 3Uw Uw' などが苦手な僕にとって、縦の回転は回しやすい
- パリティを回す前の持ち替えがない
- 8エッジから4エッジへスムーズに移行できる(4エッジも縦スライスの場合)
- z2 が存在しない
大事なのは主に4つ目でしょう。他は個人差があったり大した短縮になるものではなかったりで、正直どうでもいいです。
z2 は横スライスではおなじみのあの動きです。かなり大振りだし、結構なロスになってるんじゃないでしょうか。この持ち替え中は先読みが厳しくなるのも痛いです。
デメリット
しかし一方で、欠点も当然あります。
- 回転のtpsはおそらく横スライスより低い
- 反転できるエッジがUFのみ
- DF、DBが埋まることはない
1つ目のtpsは検証したわけでもないのでよくわかりません。なんとなくです。
2つ目は、横スライスではRF、LFのエッジを反転させることができるが、縦スライスではUFのみということです。横スライスで使う反転手順は R U R’ F R’ F’ R なので鏡手順も使うことができます。しかし縦スライスではUFを反転させるので、そんなことはできません。
ただ、横スライスでも右手でしか反転手順を回さない人はたくさんいるので、大したデメリットではないかもしれません。
問題は3つ目です。横スライスではD面を揃えたエッジで優先的に埋めることができましたが、縦スライスではそうはいきません。なぜなら揃えたエッジを入れていくのはR面とL面だからです。探していたパーツがDBとかに隠れていて見つけるのに10秒かかった、なんてのは(僕には)よくあることで、大問題です。
やりかた
7x7を用いて解説したいところですが、画像の出力が大変にめんどうなので5x5で妥協します。
センター
縦スライスの話には関係ないので、センターは適当に揃えておいてください。
8エッジ
ここからが本題です。
最も大事な手順が、UFの反転手順
U’ R U R’ F R’ F’
です。めっちゃ使うのでよく覚えましょう。
R U R’ F R’ F’ R の頭に U' がついて最後の R がなくなっただけなんですが。
今後は、手順内でこれが出てくる場合 [反転] と表記します。
この手順では、L面のエッジは一切動きません。
ここではRU(F)系の回転を使うパターンのみを書きますが、もちろん左右反転した状態のパターンもあります。適宜脳内で変換してください。
次に、エッジを揃えるためのささやかな手順を紹介します。
(手順と言っても暗記ではなく直感的に理解できるもので、またそうするべきです。)
① U' R U
エッジの片割れ(パーツ1個の方)がB面にあるとき、つまり画像から R2 した状態のときは、2手目の R を R' にしてください。R2 で画像の状態に持ち込むなんてすると効率が悪いです。
② U R U'
①と同じように、エッジの片割れがB面にあるときは2手目の R を R' にしてください。
③ R' F R F'
これは、本質的には②と同じです。UBに入れるかわりにスレッジでUFに入れます。
最初の R' は 4Lw' 気味に回しましょう。
①〜③とは系統が異なりますが、よく使うので。
最後の U2 を忘れるとセンターが崩れちゃうので気を付けましょう。
④と同じような感じです。
④と⑤に関しては、 [反転] M/M' としても大差ないかもしれません。お好みでどうぞ。
主に使用する基本的な手順はこれくらいです。画像の枚数はそこそこ多いですが、似たようなことをやっているだけなのがわかるでしょう。
そして、揃えたエッジを逃すための手順です。
⑥ U' R/R' U
⑦ U R/R' U'
どちらもセンターの向きが崩れないようにエッジを逃していますね。
この2つは、2手目を R とした場合上に書いた①、②と同じ動きです。何が言いたいかというと、エッジを揃えることと、揃えたエッジを逃すことは同時にできるということです。
エッジパートのタイムを左右するのは、3割くらいがこれです。残りの6割が先読みで1割はその他です。
2つ例を挙げましょう。
①&⑥ U' R U
②&⑦ U R U'
繰り返しになりますが、こういったことをできているかがエッジパートのタイムを大きく左右します。
8つのエッジが揃いました。
4エッジ(L4E)
8エッジとほとんど同じように揃えますが、全ての面のセンターが揃っているため少々勝手が違います。
① Rw' [反転] Rw
8エッジでも出てくる基本パターンです。どちらで出てきても全く同じように処理します。
② Rw [反転] Rw'
8エッジでも出てくる基本パターンです。最初に Rw が必要な点で8エッジと異なります。
③ M' U2 M
8エッジのときと同じですが、 センターはすでに揃っていてM列を回しても左右対象なので最後の U2 が必要なくなります。
④ M U2 M'
③と同じです。
以上の4つを駆使して最後の4エッジを揃えていきます。ほかにも8エッジで揃えたエッジで既に埋まっているところを使うテクニックがありますが、横スライスでないと使い勝手が悪いので割愛します。
この記事はチュートリアルではないのですが、一応基本のパリティ手順だけ載せておきます。他のL2E手順は他をあたってください。
Rw U2 x Rw U2 Rw U2 Rw' U2 Lw U2 x' Lw' U2 Rw U2 Rw' U2 Rw'
途中の x' Lw' は 3Rw' として回しましょう。
これでエッジパートは終わりです。
3×3パート
なるべく速く揃えましょう。
おわりに
はじめて記事というのを書いてみましたが、いかがだったでしょうか。着手し始めたのが公開日の数日前で内容はぜんぜん詰め込めていないのですが、それでもおよそ4000文字、原稿用紙10枚ほどの文章量になりました。中学校の夏休みでは毎年ヒーヒー言いながら原稿用紙5枚の読書感想文を書いていたので、なんだか感慨深いです。あの頃の苦労は一体なんだったのでしょうか。
話は変わって、使用した画像についてです。
この記事の画像は全てVisualCube (v0.5.5)で作成しました。この記事を執筆する上で一番大変だったのが、実は画像の用意です。色をステッカーごとに指定していくのは結構つらかったです。そんなことをTwitterでぼやいていたら、
VisualCubeむずかしい
— みーざ (@MysaMyysa) December 3, 2019
わからん
見かねたうえしゅうさんが瞬時にこんなツールを作ってくださいました。
ステッカー単位で色指定ができるVisualCubeEditorを作ったのでよかったら使ってね。https://t.co/0xD4I91OqV
— うえしゅう (@uesyuu_cube) December 3, 2019
ありがとうございます!
本来ならURLを自分でいじくって画像を作るのですが、このツールは大変便利でして、展開図を見ながらクリックで色を指定できるのです。
大変便利なので、皆さんも画像を作りたかったらぜひ使ってみてください。
ちなみにですが、この記事ではキューブ自体の透過などを含む画像が必要だったため残念ながらこのツールは使用しませんでした…
ごめんなさい!今後たくさん使います!
こんなところでどうでしょうか。締まらないですね。
誤字や「こうした方がいい!」などあればお教えください。
キューブは楽しいので、これからもできればいろんな形で関わっていきたいです。また何かの記事を書けたらいいなあ。