CNのなりかた、あとインスペクション

 

 

はじめに

こんにちは。3×3CFOPにおけるCN(Color Neutrality)について書きます。

ここでは、かつて自分がCNになる練習をした際に行ったこと、およびCNの人間がインスペクション中に何を考えているかの一例を示します。したがって、単色/デュアルと比較した際のCNのメリット・デメリットや確率的な話には触れません。また個人的な体験記のような形になるため万人に向く内容とは限りません。あしからず。確率的な話はCubeSkillsのColour Neutralityに詳しく書かれています。

 

CNになるために行ったこと

前提として、CN練習を始める直前の時点で白単色クロス、21秒前後だったそうです。

そもそもCNでクロスを揃えることの何がキツいかと言えば、クロスエッジの位置関係が分からないことでした。とはいえ任意の方向からキューブを見て6色の位置が即座に分かるようにはなれないと感じたため、6色それぞれをD面とした時の側面色を左右の位置関係で覚えるという方法を取りました。当然側面は4色ありますが、対面色の関係を把握していることを前提とすれば対面の色はあえて覚える必要が無いため、ここで覚える側面色は隣接2色で十分となります。

何でも構いませんが、自分が選んだ覚える色は以下の通りです。

D面:左青 (白クロスだったためこれは元々覚えていた)

D面:左赤 

D面:左

D面:左

D面:左

D面:左

これを根性で覚え、裏側の2色は対面色の関係から復元するという形で一応側面色の配置が分かるようになりました。覚える色に白が採用されがちなのは白クロスの名残です。

ひとまず覚える事柄はこれのみで、ここからは実践に入りました。このような方法を取ったため、一般的な1色ずつ練習する、もしくは対面の2色ずつ練習するという過程は経ていません。インスペクション時に咄嗟に白を探さずにあくまでクロスの簡単さのみで色を選ぶよう注意しつつ、また、直接的に覚えた側面色は上記の2色ずつのみですが、その2色のエッジから優先的に揃えるような癖が付いてしまうと大変まずいため、「D面緑で、白の右は赤だから、白の右は橙」「D面橙で、白の右は緑だから、黄の右は青」のような事を必死に考えながらせっせとクロスを読んで揃えていました。

これをひたすら繰り返したと思います(記憶無し)。

次第に覚えた2色以外の位置関係の想起が速くなり、どの色でも位置関係を把握する速さに遜色が無くなりました。

過去ツイ曰く3週間ほどでCNになっています。黒とか言っているのは当時白ステッカーを濃い灰色のものに貼り替えたAir SMを使っていたためと思われます。

 

インスペクション中に何を考えているか

単色のキューバーにはよく「インスペクション足りなくない?」のように聞かれます。実際CNであるがゆえにインスペクションがギリギリになる場面もありますが、それは結構稀です。この疑問は「6個もクロスの解法練ってる暇無いだろ」という意図だと思いますが、流石にその通りなので、各色でクロスを読み切るといったことはしていません。

各パートの右側に記載している秒数はあくまで目安であり、重要なものではないです。実際のインスペクション中にこの秒数を意識することもありません。

 

序盤(0〜2秒)

序盤で考える(見る)ことは、エッジの位置の良し悪しです。

全体を荒く観察して、ラッキーなクロスが無いか探します。

隣接2つ以上のエッジが揃っているものがあればほぼそれらで確定して他の色は捨てます。1つのエッジのみ揃っている、あるいは対面2つのエッジが揃っているときは、そこまでラッキーでない可能性があるため他の色も検討する候補として残しておきます。他の色のうち見るからにバラバラなものはこの時点で候補から除外しておきます。全色バラバラで手に負えないときは、深く考えず1色を定め、残りの時間で精一杯その色のクロスを読みます。

 

中盤(2〜6秒)

中盤で考えることは、エッジ1〜3個のみを揃えるような手順の断片です。

序盤の時点でクロス色が確定している場合はそのクロスを読むだけです。

クロス色が未確定の場合は、採用する可能性のある色それぞれについてエッジ2〜3個を揃える具体的な手順を考えてみて、その短さや回しやすさ、残るエッジの位置の良し悪しを想像しつつ候補を挙げ切ります。集計したわけではありませんが、挙がる候補は通常1〜3色(同色の別手順も数えれば1〜5種)ほどになる気がします。

 

終盤(6秒〜)

終盤で考えることは、完全なクロスの手順です。

中盤で挙がった候補のクロス色について、考えた手順の断片を組み合わせて完全な手順を想像します。ここで手順の短さや回しやすさ、F2L#1の読みやすさなどを考慮してクロス色と用いる手順を確定します。残る時間で具体的な指遣いを考えたり、F2L#1を読んだりします。

 

これは2018年1月に書いたインスペクションのメモです。今と多少言っていることが違いますが、参考になる可能性があります。

 

おわりに

「CNになるために行ったこと」は比較的初期にCNとなった際の体験であるため、単色やデュアルで既に速い人ほど当然練習の痛苦や期間が増すでしょう。CNの方が確実・大幅に速いということはないので無理してでも必ずやるべきものではありません。モチベの維持は大切です。

過去ツイキショすぎ 助けてくれ

「インスペクション中に何を考えているか」は人によっては参考になるかもしれませんが、インスペクション中の思考内容は個人の経験や慣れによる部分が非常に大きそうなので、参考になったとて取り入れるのは難しいように思います。

最後にExample Solveを3つ紹介して終えたいと思います。ありがとうございました。

 

Example Solves

※クロス作成自体の下手さには目を瞑ってください

※F2L#1先読みの内容は含んでいません

 

① F L2 D2 R2 F2 U2 F R2 B U' F R2 B' R2 D L2 F' D

橙クロスが揃っています。終了〜

 

② R2 B' D F R' L B' U L U2 R2 F2 R2 U R2 D B2 U' D' F2

まず初めに全体を見渡して、どうしようもない青、緑を除外し、すでにエッジが1つ揃っている赤、橙は残します。黄は黄橙エッジと黄緑エッジが容易に揃うものの、残り2つを面倒な持ち替え無しで揃えられなそうなので除外します。白は保留しています。

残り3色ですが、まず赤を考えます(勘)。赤D白Fとすると赤黄エッジはR2で揃う良い位置にあり、L2 D'で赤青エッジと赤白エッジが良い位置関係になります。候補1。

続いて白を考えると、白D青FとするとL' F' L'で白青エッジと白橙エッジが揃います。その後Rとすれば、残りのエッジもD面をいじってすぐに揃えられそうな位置に入ります。候補2。

橙は考える時間が残らず終了。

結局候補1を採用し、既に考えているR2 L2〜の部分をM2から始める形の

橙D黄F  M2 u' F L D2

が解答となります。

後からゆっくり考えてみると、橙をもし検討できていれば

橙D白F  R L F' R U L2 D2

とかになっていたかもしれません。

 

③ D2 R F2 R U2 R2 U2 R' F2 D' B' U' L D' L2 U' F' R2 B' R

初めに目に付くのは、エッジが1つ揃っている黄と赤です。赤は赤青エッジの位置が1手で揃う位置にあり良さげですが、黄は黄赤、黄青エッジの処理が難しそうなので除外します。他4色のうちの白は白赤、白青、白緑エッジが実質2手(L F’ B)で揃いますが、その後の白橙エッジの処理が面倒そうに見えたのでやめておきます。

先ほど良さげと感じた赤を考えてみると、赤D青FとしてL2 R' U2で赤青エッジが揃い残りのエッジが良い感じの位置関係になりますが、おそらくその後がかなり回しにくいので嫌な気持ちが拭えません。候補1。

未検討の3色のうちなんとなく橙を考えてみます。これは橙D青FでR2 F L Rで橙白エッジ以外が揃い、その後橙白エッジも白センターと繋がってADFが必要なさそうなので良い感じです。候補2。

残りの2色は考える暇がありませんでした。

挙がった候補の中から嫌な気持ちにならない橙を採用し、

橙D青F  R2 F L R D' R2

が解答となります。

後からゆっくり考えてみると、白は白D緑Fとしてu R u'とすれば面倒そうだった白橙エッジを先に揃えられて、その後L F’ Bで残りの3エッジを揃えられるので割と良かったかもしれません。また、検討できなかった緑も、橙と比べれば微妙ですが緑D白FでR L F' B〜とするやり方も考えられたと思います。